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部品在庫と組立手順の確認をAIにお任せ|RAGで社内Wiki型AIアシスタントを構築しました(静岡県 富士市 金属加工業E社様)

部品在庫と組立手順の確認をAIにお任せ|RAGで社内Wiki型AIアシスタントを構築しました(静岡県 富士市 金属加工業E社様)

「どの部品を使うか」「在庫はどこにあるか」など、現場の確認作業を減らしたい金属加工業E社様のAI導入支援事例です。Gemini NotebookのRAGを活用し、部品在庫や組立手順を一元化した社内Wiki型の専用AIの構築をご紹介します。

「この製品に使うネジって、どの品番でしたっけ?」 「あの金具の在庫、どの管理表を見れば分かりますか?」

朝の作業準備中、若手社員からの質問に、作業の手を止めて答える現場責任者。
資料やデータは存在しているのに、自分で探すより「詳しい人に直接聞いたほうが早い」という状態になってしまう。製造現場でよく見られる、そんな光景に心当たりはありませんか?

今回ウィスカーにご相談いただいた金属加工業E社様も、まさにこの「確認の手間」に悩まれていました。
そこで私たちが構築したのは、Gemini Notebook(ジェミニ ノートブック)を活用した「社内Wiki型の専用AIアシスタント」です。

「製品Aの組立手順を教えて」と聞くだけで、AIがサッと必要な部品品番や保管場所、手順を教えてくれる環境を目指しました。

ただAIツールを導入するだけでなく、AIを「現場の頼れる相棒」に育てるために何をしたのか。既存の管理表をAIにそのまま丸投げしてもうまくいかない理由など、実際に私たちが進めた裏側をステップに沿ってご紹介します。

お客さまについて

金属加工業E社様は、産業機械向けの金具やカバーなどを加工し、購入部品と組み合わせて組立まで行っている従業員20名規模の製造業です。複数の定番製品をもち、共通の材料や部品を在庫として抱えながら、繰り返し注文を受けて生産するスタイルが特徴です。

ご相談のきっかけは、ウィスカーが実施したAIセミナーでした。ご参加いただいた方からのご紹介でご縁をいただき、「現場の負担をもっと軽くできないか」という熱い想いをうかがう機会に恵まれました。

課題:情報は管理されているのに「たどり着けない」

ご相談の時点で、E社様が抱えていたお悩みは大きく2つありました。

  • 部品の在庫確認
    表計算ファイル上にある「数」や「保管場所」の確認をもっと簡単に行えるようにしたい

  • 管理ルールの共有
    人や製品によってバラバラに管理されていた組立手順や発注の基準を一つにまとめ、若手への指導や確認にかかる時間を減らしたい

実は、E社様には「社内に情報がない」わけではありませんでした。在庫も手順書も、すでにExcelやスプレッドシートできっちり管理されていたのです。 問題は、「どのファイルを見ればいいか分からない」「結局、現場を一番よく知っている責任者に聞くのが一番早い」という状態になっていたことでした。

確認する側にも、答える側にも時間がかかります。これがいわゆる「属人化(特定の人の記憶や経験に業務が依存してしまう状態)」です。 今回のプロジェクトは、この「あの人に聞かないとわからない」という現場のコミュニケーションコストそのものを、いかに減らすかが一番の出発点でした。

課題解決へのアプローチ:AIを「うちの工場のスタッフ」に育てる

最初に整理したのは「動く情報」と「変わらない情報」

最初に取り組んだのは、いきなりAIを触ることではありません。お困りごとを「在庫状況」と「管理ルール・手順」の2つに切り分けることでした。

在庫数は日々出入りする「動く情報」です。一方、組立手順や保管場所のルールは一度決まれば大きくは変わらない「土台の情報」。この性質の違いを見極めずにAIへ学習させると、「先月の古い在庫データをドヤ顔で答えるAI」になってしまいます。

ご提案した方向性:自社専用のカンペを持たせる「RAG」

そこでご提案したのが、Gemini Notebookを活用した「RAG(検索拡張生成)」による社内Wikiの構築です。 RAGと聞くと難しそうですが、要するに「AIに自社専用のカンペ(参考書)を持たせる仕組み」のことです。

世の中の一般的な知識ではなく、「E社様の実際のデータ」を根拠に答えてくれるため、現場で本当に使える回答が返ってきます。

一番の壁!既存の表をそのまま読ませて失敗した理由

ここが今回のプロジェクトで一番お伝えしたい、そして一番時間をかけたポイントです。 実は当初、すでにある管理表をそのままAIに読み込ませてみたのですが、AIの回答は思ったほど的確ではありませんでした。 理由はシンプルです。「人間が見る前提で作られた表」には、現場の文脈や「書かなくてもわかる暗黙の了解」がたくさん省かれているからです。そこで、AIがしっかりと多様な質問に答えられるよう、情報のひと工夫(下ごしらえ)を行いました。

  • 製品ごとの部品一覧
    指定品番のねじや金具が、製品1台当たり何個必要か

  • 作業手順
    部品の準備(ピッキング)、組立、確認をどの順番で進めるか

  • 保管場所と在庫目安
    単に「少なくなったら」ではなく、「棚Aの3段目にあり、毎週どの時点で何個の在庫を維持すべきか」

  • 発注時の問い合わせ先
    基準を下回った際に、どの仕入先の誰へ連絡すればよいか

「新入社員に読ませても仕事ができるレベル」まで情報を言語化してあげること。これこそが、AIをただのツールから「気の利くアシスタント」へ変える最大の秘訣です。同時に、在庫情報についてはGeminiの機能を連携させ、常に最新の数字が反映される運用ルールを組み上げました。

お客さまの反応:「誰でもすぐ確認できる」という安心感

納品後、E社様からは次のような嬉しいお言葉をいただきました。

「ベテランや現場責任者でなくても、すぐに部品の場所や手順の確認ができるようになりました」 「在庫チェックの時間がかなり楽になりました」

最も大きな変化は、確認作業に「経験の差」が出にくくなった点です。入社間もない若手スタッフでも、必要な情報にその場でサッとたどり着けるようになりました。

また、毎日決まった時間に現在の重要部品の在庫状況をメールで自動受信する運用もスタートしました。わざわざ自分からパソコンを開いてファイルを探しに行かなくても、AIの方から情報が届くため、毎回の「思い出す負担」が激減したとのこと。

在庫チェックにかかる労力は、従来を100とすると「確実に半分以下」まで下がったと伺っています。

魔法の杖ではなく、優秀な相棒を作るために

今回大切にしたのは、「最新のAIツールを導入して終わり」にしないことでした。 どんなに優秀なAIでも、現場のリアルな情報が整理されていなければ、ただの「空っぽの箱」にすぎません。今回のプロジェクトを通じて、AIの性能を比較するよりも前に、「AIに渡す社内情報を、どれだけ現場目線で整え直せるか」が成功の鍵だと改めて実感しました。

社内に情報はたくさんあるけれど、現場責任者しか全容を把握していない。確認作業のたびに仕事の手が止まる。そんなお悩みは、AIに読ませる情報を少し整えるだけで、驚くほど改善できる可能性があります。

「どの業務からAIを使えばよいか分からない」段階からご相談ください

「AIを使ってみたいが、自社のどの業務から始めればよいか分からない」 「社内に図面や手順書はあるけれど、これがAIに読ませられる状態なのか判断できない」 そんな段階でもまったく問題ありません。

まずは、日々の業務のなかで「毎回誰かに聞いている作業」「探すのに時間がかかっているデータ」を教えてください。現在どの確認作業に時間がかかっているかを一緒に整理し、AIに任せる部分と人が担当する部分を丁寧に仕分けしていきます。

ウィスカーでは、AI導入支援はもちろん、デザインやウェブ制作、写真撮影など、お客さまの課題解決を横断的にサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。

その手作業、どこまで減らせるか一緒に考えます。

転記・集計・資料作成など、時間がかかっている業務を一つお聞かせください。
AIやアプリで改善できるか、何から始めるべきかを整理します。

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