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選挙運動用ポスターは、複数の候補者のポスターが横に並んで貼られます。その環境では、名前や顔写真を大きくするだけでは、伝えたい内容まで読んでもらうことが難しくなります。ウィスカーでは、掲示板を見る人の視線の流れを起点に、写真、氏名、ビジョン、キャッチコピーの優先順位を決め、限られた規格の中で情報が順番に届く構成を設計しました。
この記事では、人物の写真と短い言葉で伝える印刷物のデザインの作り方をご紹介いたします。
金指ゆうき様は、元教員としての経歴をお持ちで、2026年現在は富士市長を務められています。
ウィスカーが金指さんを知ったのは、知人の方からのご紹介がきっかけでした。その後、富士の商店街で金指様が運営されている「ワンダー図書館」を訪問し、交流を重ねるなかでコミュニケーションが深まり、今回の制作へとつながりました。
富士市を変えたい、自分が変えるんだ!という強い思いを皆さんに伝えたい。48歳という若さが持つ「突破力」を武器として打ち出したい。とのご依頼がありました。
参照:金指ゆうき 公式ホームページ
https://kanezashiyuki.com/
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/1003100000/p007788.html
課題となったのは、掲示環境の難しさでした。
選挙ポスターは、候補者が多数並ぶ掲示板に貼られます。その中で、名前や写真をただ大きくするだけでは不十分で、最初に目を留めてもらうことも、伝えたい内容まで読み進めてもらうことも難しい場合が多いです。
金指様が実現したかったのは、次の内容を有権者の方に受け取ってもらうことでした。
48歳という若さが可能にする「突破力」
元教員として培った、市民目線
従来の政治家目線ではなく、市民に寄り添う姿勢こそ、これからの政治に必要だと感じてもらうこと
掲示板の前で長く立ち止まるとは限らない方に対して、短い時間でどこまで伝えられるか。そこが今回の出発点になりました。

デザインに入る前に、金指さんご本人へのヒアリングを行い、次の内容を整理しました。
富士市を変えたい、自分が変えるという思いの強さ
48歳という若さと、「突破力」を打ち出したいという意向
自ら富士市内を歩き、市民の声を拾いに行く姿勢
打ち出したい要素を先に言葉として確定させることで、ポスターに載せる情報の優先順位を決めやすくなります。
併せて、全国の選挙ポスターのデザインも確認し、
当選された方のデザインや当選されなかった方のデザインを我々なりに分析し、
仮説を立てました。例えば効果的なのは「文字の大きさよりも、文字が読みやすいこと」などは大きな収穫だと感じています。
ご提案したのは、立候補者一覧として掲示された際の視線の流れを踏まえ、写真・氏名・ビジョン・キャッチコピーの優先順位がひと目で伝わる構成です。
デザインの装飾から考えるのではなく、「どの順番で読まれるか」から考える進め方をとりました。
掲示板では、視線が左上から流れていきます。その流れに合わせて、次の順番で情報が目に入るように設計しました。
顔写真
氏名「金指ゆうき」
ビジョン「共に変えよう 新しい富士市へ」
キャッチコピー「48歳 突破力」
まず人物を認識してもらい、続いて名前を覚えてもらう。そのうえで、目指す方向と人物像を示す短い言葉へ視線がつながる形です。要素を同じ強さで並べると、どれも印象に残りません。順番を決めることが、そのまま伝わる量を決めると考えました。
写真と文字の大きさを微調整し、余白も活用しながら、掲示時に限られた規格内で目立つように仕上げています。制作にはAdobe Illustratorを使用しました。
選挙ポスターには規格が定められているため、サイズを広げて解決することはできません。決められた面積の中で、写真、文字、余白の配分を調整し、視認性を最大限に高めることが条件になりました。
キャッチコピー「48歳 突破力」は、文字ごとに高さを変えて動きを出しました。整然と並べるよりも、視線が最後まで誘導されるようにするためです。
あわせて、情報の目立たせ方のバランスを細部まで調整しています。強調したい要素が増えるほど、全体としては何も強調されていない状態に近づきます。どこを強く見せ、どこを引くかを一つずつ全体のバランス感を取りながら確認して仕上げていきました。
このような細かい調整がどこまで効果的なのか、実際に数字で測ることは難しいのですが、この細かい調整の効果で1人でも目を留めてくれる方がいるかもしれない!という思いで微調整を重ねていきました。
完成後、金指さんからは「一番良いポスターなんじゃないでしょうか、本当にありがとうございます!」と仰っていただき、仕上がりにとても満足していただけました。
掲示後には、金指さんの支援者の方だけでなく、支援者ではない方からも「金指さんのポスターが一番見やすい」という複数の声を我々自身も耳にすることができ、安堵感を感じたのを覚えています。
今回の制作で重視したのは、氏名の読みやすさ、顔色、そしてビジョンとキャッチコピーが伝わる優先順位でした。掲示板の前で立ち止まる時間は長くありません。その短い時間に何を届けるかを、順番として設計することが我々の役割だと考えていました。
金指さんが掲げる富士市への方針にはウィスカーとしても共感し、「富士市を変えてくれそうな方だ」と感じました。応援したいという気持ちを持って制作に携われたことが、今回とても印象に残っています。
同じような課題をお持ちの方へお伝えしたいのは、デザインは見た目だけで決まるものではない、ということです。美しい、かっこいい、おしゃれといった印象に加えて、「誰に受け取ってもらい、どのような心の変化や行動を生みたいのか」まで考えて設計できることが、ウィスカーの強みだと考えています。
AIでも美しい見た目を作れる時代です。だからこそ、求める相手にきちんと届き、望む行動につながるところまで考え、結果を出すデザインを大切にしていきたいと考えています。
ポスター、チラシ、パンフレットなど、短い時間で見られる印刷物では、「何を載せるか」よりも「何を最初に伝えるか」で結果が変わります。載せたい情報がまとまっていない段階でも問題ありません。
ご相談では、誰に届けたいのか、その方にどう感じてほしいのか、どの場面で見られるのかを一緒に整理するところから始めます。そのうえで、掲示や配布の条件、規格、ご予算に合わせて、情報の優先順位と見せ方を検討していきます。
もちろんご相談は無料でお受けいたしますし、ご提案を押し付けることも致しません。
ウィスカーでは、グラフィックデザイン、ウェブ制作、写真撮影、AI活用を横断してご相談をお受けしています。「デザインをお願いしたい」という段階でも、「まず何を伝えるべきかを整理したい」という段階でも、お気軽にお声がけ頂けたら幸いです。
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