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ロゴは「デザインの王様」と言われるぐらい、全ての制作物に大きな影響を与えます。
この記事では、ロゴをデザインする際の「ポイント」や「順番」を、我々ウィスカーのリニューアルしたロゴを例にお伝えしていきます。私たちのパーパスとビジョン、組織名に「ウィスカー(動物のヒゲ)」という単語を選んだ理由、ロゴに持たせた3つの意味、そして黄金比と大和比(白銀比)の使い分けまでを、順を追って全公開していきます。
「ロゴをつくりたい、つくり直したいけれど、何をどこまで決めればよいのか分からない」「かっこよさだけで選んでよいのか判断できない」。などなど、ロゴ制作について悩まれている方は、是非本記事を最後までご覧ください。
いきなり結論からですが、まずは完成したロゴのデザインをご紹介します。
その後、「ロゴデザインの制作フロー」「なぜこの形になったのか」「どのような手法で伝えたい想いを込めたのか」をプロのデザイナー目線でご紹介させていただきます。

これが、今回我々がリニューアルしたウィスカーのロゴデザインです。
いかにシンプルにまとめつつも記憶に残るデザインにできるか?など、随所に様々な調整や仕掛けを設けています。
まず初めに、我々のパーパスとビジョンを決めました。
パーパスとは、
その会社にとっての「北極星」にあたるものです。誰がどの状況からみても、常に一定の位置にある「北極星」。「なぜ、この会社がこの世に存在すべきか?」という問いへのアンサーを、この「北極星」に置くことで、組織としてブレのない判断や行動が可能になります。
ビジョンとは
パーパスのその先に目指したい、未来の理想の状態を言語化したものです。
ウィスカーのパーパス
「人と動物の幸せをデザインする」
ビジョン
「私たちはビジネスとテクノロジーとクリエイティブの力で社会の課題を解決し、人と動物が幸せに生きていける持続可能な環境を作ります」
ウィスカーの場合、このパーパスとビジョンの2つが「なぜ働くのか」「なぜ売上を立てるのか」への答えそのものになっています。
私たちは、稼いだお金から生まれた余力を使って、動物の幸せのために活動している方や、人間の幸せのために活動している方へ募金をしたり、ボランティアとしてお手伝いをしたりしたいと考えています。そのために事業を続け、売上をつくっていく必要がある、という順番です。
そして、チームメンバー全員がこのゴールに強く共感しています。私たちは、ここがウィスカーの最大の強みだと考えています。判断に迷ったときや、もうひと踏ん張りが必要なときに、共通のゴールを思い出せば3人で同じ方向を向ける。組織力の土台に重要なのは、「パーパス」と「ビジョン」の浸透と共感ではないかと感じています。
「ウィスカー(whisker)」とは、動物のヒゲを意味します。メンバーから提案された時、私は知りませんでした。組織名にこの言葉を選んだのは、動物にとってのヒゲが果たす役割と、私たちがお客さまに対して担いたい役割が重なるからです。
動物のヒゲは、人間の髭よりもずっと重要な器官です。動物の種類にもよりますが、空気の振動、相手の感情、物理的な距離感、通り抜けられる幅の狭さなど、生きていくために必要なコミュニケーションや情報を受け取るための最重要機関とも言われています。
私たちも、企業様にとってのヒゲような存在でありたいと考えました。視覚的コミュニケーションを司る重要なポジションであり、発信していく力としてのパートナーであり、会社が勢いよく前へ進んでいくためのパートナーである。「ウィスカー」という名前には、このような思いが込められています。
大切な想いを詰め込んだとしても、「ウィスカー」という文字だけでは、何をしている会社なのかが伝わりにくくなります。分かりやすさを補うために「デザインパートナーズ」という言葉を加えました。
ただし、この後半部分は説明のためだけの言葉ではありません。「パートナーズ」にも、私たちの姿勢が込められています。
私たちは、お客さまに対してはもちろん、お仕事をお願いする相手に対しても、「下請け」や「やらせる」といった表現を使いたくないと思っています。お客さまとも、何かをお願いする相手とも対等でいたい。この考えから、私たちは「パートナー」という表現を使っています。その姿勢を組織名の中に残すために「デザインパートナーズ」という言葉を追加することにしました。

新しいロゴをつくるにあたって、私たちは先に3つのポイント(アイデンティティ)を決めました。デザイン案を作り始める前に、「何が表現されているべきなのか」を言語化しました。それが下記の3つです。
ポイント | 込めた理由 |
|---|---|
01 ヒゲが分かること | 「ウィスカー(ヒゲ)」を、形からも伝えるため |
02 頭文字「W」を連想させること | ウィスカーという名前を、視覚的にも結び付けるため |
03 多様性を表現できること | 今後、様々な方のパートナーになるには、多種多様な考え方や気持ちを汲み取れる存在であるべきだと考えたため |
この3つが表現されていることを最低条件として、デザイン制作を進めました。特に3つ目の多様性は、パートナーという言葉と直接つながる要素です。さまざまな相手の立場に立つ会社であろうとするなら、多様性というキーワードは、外せないキーワードになると考えました
条件を決めたあとは、それぞれをどのように表現(視覚化)するか?をとことん詰めていきました。ここが固まり切るまでに、100案以上のデザインが生まれては消えていきました。
ボツ案の一部

ヒゲを表す要素として、「一本の線であること(線が閉じていないこと)」をベースの考えに設定しました。線として成立していれば、抽象化してもヒゲの印象が残ります。
Wの形に読めなくもない、というバランスをコンセプトにしています。どこからどうみてもWだと断定させるのではなく、ふとした時に気づける程度のWの要素を残すことで、柔軟な姿勢や思考の表現を目指しました。
多様性は、角の処理で表現しました。図形にたとえると、片方の角は角張っているのに、もう片方の角は丸くなっている。この角張りと丸まりという真逆とも言える2つの処理を一つのオブジェクトの中に同居させることで、多様性を表現させました。角から丸へ移っていくグラデーションは、性質の違うものが一つの中に共存している状態をつくり出しています。

マークは、かなり細かく微調整をかけています。基本となる比率には黄金比を使い、一か所だけ意図的に大和比(白銀比)を混ぜました。
黄金比とは、1:1.618の割合を指します。マークの随所にこの割合を散りばめています。
そのうえで、右端のオブジェクトの一部が、敢えて黄金比からはみ出す仕掛けを施しました。このはみ出た部分の比率は、大和比(白銀比)を採用しました。大和比は日本に由来する比率で、日本人が最も美しいと感じる比率とも言われています。
なぜ、わざわざ黄金比からはみ出した要素を採用したのか。理由は2つあります。
黄金比という「決められた完璧(あたりまえ)なゴール」からも飛び出していける組織でありたいと考えたため
黄金比が世界基準の美しい比率であるのに対し、大和比は日本由来の比率。大和比=日本らしさとも言い換えられます。日本に生まれた喜びと誇り、日本らしさのエッセンスを、一か所だけ入れました。

タイプ(ロゴの文字部分)の調整は、黄金比のみでデザインしています。それぞれの文字の高さや文字間を、細かく設定しました。
マークとタイプを合体させたロゴについても、並びの比率やレイアウトの比率は黄金比を参考にしています。マーク単体、文字単体、組み合わせ。どの単位で見ても比率の考え方が通っている状態を目指しました。
使用場面に合わせて、複数のバリエーションを用意しています。
ロゴの下に英文を配置したバージョン:パーパス「人と動物の幸せをデザインする」と、ビジョン「私たちはビジネスとテクノロジーとクリエイティブの力で社会の課題を解決し、人と動物が幸せに生きていける持続可能な環境を作ります」を英語にした文章を配置しています

横並び版:横長のスペースに収めたい場面に対応します

白文字バージョン:濃い色の背景に載せる場面に対応します

このほかにも、使用用途に応じたパターンを用意しています。ロゴは一度つくって終わりではなく、名刺、看板、ウェブサイト、資料など、置かれる場所によって必要な形が変わります。使用場面を先に洗い出しておくと、あとから困りにくくなります。
Q. ロゴには、必ず意味を持たせたほうがよいのでしょうか。
必須ではありません。ただし、意味を先に決めておくと、デザイン案を選ぶときの判断基準ができます。ウィスカーの場合も、「ヒゲ」「W」「多様性」の3つを最低条件にしてからは、大きな方向転換もなく、主観(好き嫌い)だけで議論が進まずに済みました。
Q. 黄金比を使えば、良いロゴになりますか。
比率はあくまで判断材料の一つです。黄金比を使ったから必ず良くなる、という関係ではありません。ウィスカーのロゴでも、黄金比を基本にしながら一か所だけ意図的に大和比で外していたり、比率を無視して微調整をかけている部分が何ヶ所か存在しています。どこを整え、どこを外すのかを、伝えたい意味から決めていくことが大切だと考えています。
Q. 大和比(白銀比)とは何ですか。
日本に由来する比率で、白銀比とも呼ばれます。日本人が最も美しいと感じる比率とも言われています。一般的には1:√2(およそ1:1.414)の割合を指し、日本の建築(法隆寺、五重塔、伊勢神宮、畳のサイズ、障子)や紙のサイズなどで用いられてきた比率として知られています。
Q. ロゴのバリエーションは、どれくらい用意しておくべきですか。
使用場面によって変わります。ウィスカーでは、英文入り、横並び、濃色背景用の白文字などを用意しました。一例として、名刺・看板・ウェブサイト・印刷物など、実際に使う予定の場所を先に書き出しておくと、必要なパターンを整理しやすくなります。昔は1パターンでどのようなシーンでも美しく見える設計が主流だったようですが、近年では複数パターンを用意するレスポンシブデザイン(段階的にレイアウトやデザインが変わる手法)も多く見られます。
Q. どの段階からロゴの相談ができますか。
「つくりたい(つくり直したい)けれど、何から決めればよいか分からない」という段階から、無料でご相談いただけます。ロゴにこだわりたいお客さまのご相談やご提案を心よりお待ちしております。
ウィスカーの新しいロゴは、見た目を先に決めたのではなく、意味を先に決めてから形にしていきました。
パーパス「人と動物の幸せをデザインする」とビジョンが、会社の判断の土台にある
組織名「ウィスカー(動物のヒゲ)」には、企業の重要なコミュニケーションを司るパートナーでありたいという役割を込めた
「デザインパートナーズ」には、お客さまとも、お願いする相手とも対等でいたいという姿勢を込めた
ロゴは「ヒゲ」「W」「多様性」の3つを表現することを最低条件として設定
一本の線でヒゲを、角と丸の混在で多様性を表し、黄金比を基本にしながらも、一か所だけ大和比で違和感や特徴を作った
自社のロゴを進めてみて、最初に取り組んでよかったと感じたのは、デザイン案を見比べる前に「何が表現されていれば合格なのか」を言葉にしておく作業でした。条件が言葉になっていれば、案の良し悪しを感覚だけで判断せずに済みます。
今後、ウィスカーはこのロゴをメインで使用していきます。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
「ロゴをつくり直したいけれど、何から決めればよいか分からない」という段階でも問題ありません。この記事で紹介した順番と同じように、会社として大事にしたい考え方や、ロゴを使う場面を伺いながら、何を表現すべきかを一緒に整理していきます。
ウィスカーでは、ロゴやデザインにこだわりたいお客さまのご相談やご提案を無料で承っています。すでに案がある場合の見直しでも、まだ何も決まっていない状態からでも構いません。お気づきの段階で、お気軽にお声がけいただけると嬉しいです。
皆様からのお問い合わせを、メンバー一同心よりお待ちしております。
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